平成24年01月 〜新年のあいさつ〜 復興へキックオフ!
 皆様にはご家族お揃いで新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年の3・11東日本大震災からまもなく十ヶ月を迎えます。この間、全国からの暖かいご支援と市民皆様の復旧へのご協力により、徐々に震災前の市民生活に戻りつつありますが、被害を受けた住家や商店街、道路や公共施設などの早期の復旧を加速しなければなりませんし、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、未だに市民生活に影響や不安を及ぼしている状況にあり、一日も早い収束と対策を講じなければなりません。
 このような中、国においては十二兆円余の第三次補正予算を始め、被災地の規制や税の特例などを認める復興特別区域法、復興庁設置法がやっとの思いで成立するなど、復興へ向けて本格的に始動し出しました。
 本市においてもこれらの予算や制度を活用し、復興計画の理念であります「真の豊かさ 連携と協働による大崎の創生」を目指して全力で取り組んでまいります。
 私たちは今回の震災で多くの大切なものを失いましたが、多くの教訓や真に大切な物にも気づかされました。地域の特性を生かした社会インフラづくり。持続可能な食と水・エネルギーの選択。家族やコミュニティの再興。絆や連携がいかに大切であるかなどを改めて実感いたしました。
 私自身も今回の大震災を体験し、しばらく前に読んだイギリスの経済学者E・Fシュマッハーの著書で、物質至上主義に警鐘を鳴らし、人間中心の経済学を説いた「スモールイズビューティフル」や昨年末来日したジグミ・ケサル国王の国、ブータン国の国是「国民総幸福量(GNH)」などは、今後の復興のバイブルにすべきと考えております。
 本市では、復旧・復興を進める指針となる震災復興計画づくりを、有識者による震災復興懇話会や、市民参加の震災復興市民会議などを通して市民協働で策定いたしました。「生き生きとした暮らしの再建」「安全で安心なまちづくり」「誇りあるふるさとの復興」「連携と交流による新たな大崎の創生」の四つの方針のもと、七年間で沿岸部へのバックアップや東日本を牽引する、内陸部の復興モデルを目指して「真の豊かさ 連携と協働による大崎の創生」を実現しようとするものであります。現在、今春を目指して実施計画を策定中であります。
 十一月三日の復興大会では、この復興計画を紹介するとともに、すでに締結している東京都台東区を立会人として、北海道当別町、愛媛県宇和島市、兵庫県豊岡市、栃木県小山市、秋田県湯沢市、山形県最上町、遊佐町の八自治体との間で災害時相互応援協定を締結いたしました。
 又、復興大会を境にして、復興に向けて起動し始めた分野もあります。未来産業おおさきが中心となり、「復興から飛躍へ!メイド・イン・おおさき」をテーマにした「おおさき産業フェア2011」が、七十二の企業団体七千人の参加のもと開催されましたし、地域に根付いていた発酵技術を活用した「全国発酵食品サミット2011inおおさき」が県内外から五万人の参加のもと開催されました。「着地型観光で地域を変えよう」をテーマに「観光推進シンポジウム」が三百人の参加のもと開催されました。平泉や首都圏への観光キャラバンも実施されました。国際森林年記念事業として、皆川林野庁長官やミュージカル葉っぱのフレディ特別出演による「市民と森林をつなぐ国際森林年の集いinおおさき」も開催されました。スコーレハウスや古川第一小学校を会場に「音楽が聞こえてくる都市(まち)づくり」特別コンサートもも開催されました。
 被災の中ご支援・ご協力いただいた方々に改めて感謝と敬意を表します。
 多くの方々に励まされ、支えられながら新しい年を迎えました。震災を乗り越えた絆と連携により、復興に向けて着実に歩み出すスタートの年にしてまいりたいと念じながら新年を迎えました。
 苦しい長い道のりではありますが、新しい年、着実に復興への光明も差し始めております。
 東北から日本を元気に!という全国、世界からの熱い応援。
 東北地方の気候、風土、景観、歴史、文化、食・水・自然エネルギー資源の再評価。
 トヨタグループが関連企業の統合新会社設立、エンジン工場の稼働と、ものづくり第三の極へ着実な前進。
 二度目のDC、平成二十五年仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに向けてプレDCが動き出します。東北新幹線全線開業、平泉世界文化遺産登録・岩手DCとの相乗効果も期待されます。
 それらの追い風を着実にキャッチするために、本市においても新年は「(仮称)みやぎ大崎観光公社」の設立、「未来産業創造おおさき」や「おおさき発酵と食文化研究会」との連携、環境保全型農業の推進と六次産業化、グリーンエネルギーの普及と関連産業の創造、大崎市民病院本院建設工事への着工、新岩出山分院の診療開始、古川第一小学校と古川東中学校の建設着工、中心市街地の復興などに取り組み、復興と宝の都(くに)大崎の実現に向けて邁進してまいります。
 今年の干支は「辰(竜)」です。竜は中国では皇帝のシンボルで非常に縁起のよい象徴と言われております。「雲は竜に従い風は虎に従う」「画竜点晴」の故事にあやかり、物事をうまく完成させることができるよう念じながら一日一日前進してまいります。
 一日も早い復興と、市民皆様のご健勝をお祈り申し上げ年頭のご挨拶といたします。
事務所兼自宅    〒989-6253  大崎市古川馬放字街道南北30
電話・FAX  0229−28−2543