平成20年2月 大崎市の道路が危うい
 昨年2月17日に国道108号鳴子温泉大畑地区内において土砂崩壊事故が発生し、45日間も全面通行止めになり、市民生活に大きな影響を及ぼしました。面積800平方メートル、東西距離が80kmの本市にとって、地域の一体性を高めるためにも、救命救急搬送や災害時の救援活動など、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指すためにも、道路は大事な社会資本であり、生命線であります。しかし現実は土砂崩れや落石などの災害発生のおそれのある箇所が多数ありますし、市道改良率は未だ54%、通学路の歩道整備率18%、30年以上経過の橋梁数が929橋と、急ぎ改良しなければならない箇所が沢山あります。
 又、未来に向けて整備すべき社会資本としての道路も重要であります。大衡村にある第2仙台北部中核工業団地に進出決定したセントラル自動車の開業は、平成22年秋です。それまでに物流、通勤の手段としての道路網整備を急がなければなりません。仙台北部道路完成、国道4号の4車線化、三本木スマートインターチェンジの開設、国道108号古川東バイパス一期工事の完成、志田橋の架けかえなどです。さらには広域連携や観光振興のためにも国道108号花渕山バイパスの事業促進、石巻・酒田間の地域高規模道路の早期事業化などが重要であります。
 しかし、それらが危うくなってまいりました。今国会の最大の焦点であります租税特別措置法改正案、道路特定財源の暫定税率を巡る動きであります。原油高騰を利用したかのようなガソリン25円値下げという甘言、ポピュリズムな人気取り議論が勢いづいております。地方の実情を知らない絵空ごとと言わざるを得ない危うい議論であります。
 道路特定財源は、道路に使う目的で徴収する目的税であります。税収総額は、5兆8000億円、そのうち約3兆5000億円が国の税収、約2兆2000億円が地方の税収であります。道路特定財源諸税の暫定税率などの時限措置が延伸されない場合、約2兆7000億円の税収減となり、国と地方自治体において道路整備に大きく支障が出ることはもとより、地方の財政破綻の危機に直面することになります。地方自治体は、約1兆円の歳入減、宮城県では総額約655億円の税収減、本市の場合道路関連予算約8億1000万円の減収となります。歩道整備など新たな道路整備に使える予算は、現在の3分の1以下に減少しそうであります。まさに本市の安全・安心対策も未来へのグランドデザインづくりも水泡に帰することを危惧しております。
 是非原油高騰対策と道路特定財源は整理して議論していただきたい。真に必要な道路、生命につながる道路、未来を拓く道路は必要かつ喫緊の課題である。
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