平成22年11月 時空への挑み
 この度、悠久の時を体感するような機会に臨みました。
 一つは、当別町一四〇年式典への祝賀訪問です。戊辰戦争に敗れた仙台藩岩出山伊達家一門は、新生の地を求めて藩主伊達邦直公主従四十三戸・百六十一人が、北海道当別に鍬を入れて今年で一四〇年。
 うっそうとした樹木や笹やぶを開墾、大雨ごとに氾濫する石狩川や当別川との過酷な闘いの開拓でした。
 この史実は、当別町出身の作家本庄陸男氏により執筆された長編小説「石狩川」や、東映映画「大地の侍」で世に紹介されております。
 一四〇年の時を経て、改めて開拓の歴史を心に刻み、両市町の絆を深めることを決意した訪問でした。
 もう一つは、名古屋で開催された生物多様性条約第十回締約国会議への参加です。
「生物多様性」とは生物が互いに網の目のようにつながっている状態が重要だという考えであり、一九九二年に条約が採択され、「生物多様性の保全」「資源の持続的な利用」「遺伝資源から得られる利益の公平な配分」の三つを主要目的としています。
 この会議の一環として開催された生産多様性国際自治体会議において、本市や私は、豊かな里地・里山を生かしたバイオマスタウンへの取り組みや、生物多様性の保全への水田農業の新たな役割「ふゆみずたんぼ」の事例を世界に発信してまいりました。
 地球上に生命が誕生して二〇億年。生物が陸上に上がって四億年。人類が誕生して四〇〇万年。今、生物大絶滅時代。生物後発の人類が生物共生のために行動を起こす責任は重大。生物多様性の宝庫・大崎市の存在は大きい!
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