平成28年2月 震災五年目の成人式での想い
 一月十日、一千百六十四人の新成人の門出を祝福しました。
 今年の新成人者は、五年前の大震災と中学卒業が重なる特別の思いを抱く成人者です。五年前の三月十一日、卒業式当日に被災した人たちや、翌十二日の卒業式が震災で延期になった人たち。そして被災後、震災復旧や被災者支援に取り組んだり、余震に怯えたり、命の尊さと安全の大切さを実感し、仲間との絆や連携を確かめ合いながら五年間過ごし、この度成人式に臨まれました。成人式では震災を乗り越えて未来に向かって歩む決意を新たにされておりました。
 私からも、新成人の立場から復興まちづくりや、合併十周年を迎えた大崎市の新たな十年への第一歩を共に歩もうと呼びかけました。
 成人者を祝う儀礼は奈良時代に起こった元服に始まる日本特有の風習ですが、今日の形態の成人式は、敗戦により虚脱状態の中で次代を担う青年たちに明るい希望を持たせ励ますため、一九四六年(昭和二十一年)埼玉県蕨町において実施された「青年祭」が原型です。その後全国に広がり、国が祝日法により「大人になったことを自覚し、自ら生きぬこうとする青年を祝い励ます」の趣旨のもと「成人の日」として制定して今日に至っているものです。
 その青年の語源は、「青雲の志を持つ年頃」であります。選挙権も十八歳に引き下げられ、青年が変革の主体者としての自覚を高める契機です。新成人者には、高い志を持って、自分の夢実現のために努力されるとともに、新時代創造のチャレンジャーとなられることを期待しております。


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