平成23年1月 「兎の登り坂」を目指して
 あけましておめでとうございます。
 皆様には、希望に満ちた新春をすこやかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
 顧みますと昨年は記録的な猛暑とその後遺症に振り回された年でした。しかし市民にとってうれしいニュース、全国に大崎市の名を轟かせる大変喜ばしいこともありました。
 古川学園高等学校女子バレーボール部が、沖縄インターハイで優勝,続いて千葉国体でも優勝し、見事二冠を達成しました。一月五日から開始されます春高バレーでの史上初の同一年度三冠に向けて市民あげて大いに期待しております。
また、三本木地域の千葉実咲さんがトランポリン競技国際大会選考試合シンクロナイズド競技十七歳以上女子の部で優勝し世界大会に出場、さらに古川地域の菅原隆志さんが第十回全国障害者スポーツ大会陸上競技で優勝するなど、輝かしい成績を収めて私たちに元気と希望を与えていただきました。
 十二月四日、待望の東北新幹線が青森まで全線開業しました。大交流時代の基盤が整い、東北新時代の到来です。私も十二月八日新幹線開業で沸く青森市を訪れ、鹿内市長に祝賀訪問し、「東北縦軸連携実現」の相談を申し上げるとともに新青森駅で広域連携を呼びかけてまいりました。
 一方、長引く景気低迷が続いており、ラサ工業株式会社三本木工場の事業撤退など、景気後退による解雇など雇用不安が続き、市民生活に深刻な影響を及ぼしているとともに,本市の財政にも大きな影響を与えております。
 水稲の作柄でも夏の高温多照小雨の影響で品質低下を招き、米価下落と重なり、農家収入大幅減収の厳しい状況にあります。追い討ちをかけるような政府のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)関係国協議開始表明が農業・農村の崩壊につながることへの不安を増幅させております。
 このような中、大崎市は誕生五年目を迎え、「宝の都(くに)・大崎」の実現を目指して着実に事業推進に努めてまいりました。
 先ず、本市の重要課題であります市民皆様の命と健康を守る、日本一の自治体病院建設をめざした大崎市民病院と岩出山分院の建設に着実に取り組んでまいりました。
 民生分野では、幼保一元化施設の「鹿島台なかよし園」の開園、子宮頸がんワクチンの予防接種費用の助成事業の導入など、子育て日本一と、日本一健康なまちをめざしての環境整備に取り組んでまいりました。
 事業産業分野では、ものづくりおおさきをめざして「未来産業創造おおさき」が設立され、農商工連携が動き出しました。さらには、本市としてはじめての産業見本市であります「大崎産業フェア」の開催や、自動車関連産業の共伸プラスチック株式会社の工場立地が決まるなど,新たな産業の動きが始まっております。同時に大崎ブランドの確立を目指した「宝の都(くに)づくりプロジェクト」も始動しました。さらには、生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)へ参加し,「渡り鳥に選ばれたまちおおさき」を広くアピールしてまいりました。
 また、近隣四町と連携して大崎定住自立圏を形成し、新たな地域づくりにも着手するなど、躍進への歩みを進めてまいりました。
 また、各種施策を推進するにあたり、市民目線での評価・点検を取り入れることが肝要でありますことから、大崎版市民参加型の事業仕分けを実施し、第二次集中改革プランをスタートいたしました。
 年が改まって、今年は国連の定める「世界森林年」であります。宮城県の「環境税」スタートの年でもあります。セントラル自動車もいよいよ本格稼働いたします。青森デスティネーションキャンペーンや岩手プレデスティネーションキャンペーンが開催されます。
 大崎市にとりましては、三月三十一日で合併五周年を迎えます。一年間合併五周年を冠にして市民の一体感の醸成と飛躍を期してまいります。秋には五周年記念式典も計画いたします。全国発酵食品サミットをはじめ記念事業の誘致開催の準備も進めております。
 総合計画の後期見直しにも着手します。
 今年の干支は「辛卯」「兎」です。「辛」(かのと)は新しいを意味し、草木が枯れても新たな世代が生まれようとする状態を表しています。「卯」(う)は茂るを意味し、草木が地面を覆う状態を表しています。「兎」(うさぎ)は優しく穏やかな意味から「家内安泰」の象徴であり、その跳躍する姿から「飛躍」がイメージされます。
 大崎市は、これまでも行財政改革と経済発展を同時にめざす「二兎を追って二兎を得る」大崎流改革とまちづくりを進めて着実に成果を上げてまいりました。
「兎の登り坂」と言われますように、うさぎは坂を駆け上るのが得意。地の利を得ると力をフルに発揮すると言われます。干支「兎」にあやかり、天の時、地の利を生かし、人の和(市民との協働)を結集して、環境創造、ものづくり創造、観光創造、大崎ブランドなど、未来に誇れる大崎モデルを実現するために「宝の都(くに)・大崎」への登り坂を駆け上ってまいります。
 市民皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ,年頭のご挨拶といたします。
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