令和6年8月論語と算盤(そろばん)

 20年ぶりに新紙幣が発行されました。
 一万円札の新しい顔は渋沢栄一翁です。
 翁は、生涯を通じて銀行をはじめ約500の企業の成立や育成、約600の福祉や教育の社会公共事業に尽力し「日本資本主義の父」「近代日本を創った偉人」と称された方です。
 数々の功績の中で、翁は東北振興にも多大なご尽力をいただきました。
 翁は、新政府の大蔵卿(大臣)に就いていた元宇和島藩主の伊達宗城に見込まれ、大蔵省の要職に引き上げられました。(初代宇和島藩主秀宗は伊達政宗の長男、宗城の次男宗敦は旧仙台藩主の養子)
 東北との関係性が深まった翁は地下資源が豊富で米作に適した東北に強い関心も芽生え、東北の振興に力を注がれました。
 七十七銀行の創業支援、東北本線の建設や野蒜築港などの計画にも携わり、東北の産業振興を目指す東北振興会の会長も務められました。
 その熱情は国策として継承され、東北振興株式会社(初代総裁は古川出身の吉野信次氏)や、東北振興電力株式会社(現東北電力)へと発展成長されました。
 百年の時を経て、翁の理念や価値観が一層注目されているのは翁の著書「論語と算盤」の教えでありましょう。
 論語=道徳と、算盤=経済の両立。現代で考えると「SDGs」(持続可能な開発目標 誰一人取り残さない社会づくり)に一致するものであります。
 新紙幣発行を契機に「論語と算盤」を読み返し、翁の目指す「道徳と経済の調和」を再認識し、現代の課題にどう活かすかを考えていきたいと思います。

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